今朝は何故かみなの様子がおかしい。

何故か俺を見ては驚いたり不可思議な表情を見せる者が居れば、俺の背後で何やら囁き合っていたりする者も居る。

確かに今日の服は仕立てたばかりの物だが別に変な格好はしていないし、顔に何かついてる訳でもないだろう(触って確かめたし)

全く何故か知らんが俺を見て変な顔をする暇が有るなら、一歩でも多く歩いて異常がないが探せば良い物を。



「化粧」



おかしな事もあるものだとさして気にも留めず、道行く近衛兵達の奇異の視線をその身に浴びながらペルは常の歩調で王宮内の見回りに歩いていた。

丁度廊下の角を曲がった所で、相棒のチャカに出会う。

彼も一瞬だけ兵士達と同じくペルの顔を見て片眉を潜めたが、視線を他の部分へ滑らせて合点が行ったとでも言いたげな表情を覗かせた。

「何だお前ぺ「んだぁ?ペルじゃねーかよ」

チャカの声を遮り、初対面の1日で聞き慣れてしまった女の声とガサツな物言いに、ペルは嫌悪感丸出しの表情で声の方を見やる。

廊下の随分奥から僅かに息を弾ませて走ってくるは、チャカの隣に並ぶと顎に伝う汗をぞんざいに拭いながら、これまた嫌悪感丸出しの表情でペルを見る。

嫌悪の視線が暫くぶつかり合い、の方が鷹揚に溜息をついて視線を外した。


「王宮内に不審者がいるってんでつまみ出してやろうと思ったのに原因はお前かよ。つまんねーなー走って損したぜ。」

気にせず寝てりゃ良かったー。等と好き勝手に暴言を吐き散らす下品な女にペルの肩が怒りと嫌悪に震え始める。

そんなペルの様子など全く意に介さず、と言うか中庭の方を向いて視界にも入れてなかったが不意に視線をすっぴんのペルに向けた。

「つーか何時ものイカレ化粧はどうした?すっぴんはまぁ見れる顔してっけど、何時もの化粧付の方が見慣れてて良いぜ。」

それだけ言い放ち踵を返してもと来た廊下を悠々と歩き去って行く。


遠くの方から「その方が周りの連中も驚かずに済むしなー」と聞こえてはっとした顔を見せ、近くの噴水へ走りよってペルは己の顔を見る。


・・・・・・・・・・正に素顔だった


なんで日課の化粧を忘れたのだとか、城中の者達に素顔を見られてしまったとか、ビビ様には見られなくて良かったとか多くの思考が脳内を渦巻き、一つの疑問に辿り着く。


「ん?と言うか、なんでアイツはあの距離で俺だと判ったんだ?チャカとて組んだばかりの頃は分からなかったのに」

「さあな俺が知る訳ないだろう」

何故だと食い下がろうとするペルから逃れるように、チャカも踵を返して廊下を奥へと歩き去っていく。

分からないと答えながらもペルとの間によく挟まれるチャカには分かっていた。



ペルはが倒れれば一番に駆け寄り、目が覚めるまで付き添っていた

は見た事の無い素顔のペルを一目でペルだと分かった




顔を見れば反発し合うのは素直になれないと言う訳ではなくて、恐らく二人とも自分の気持ちが分かってないのだろう


ケンカが絶えないのは目で追わずにはいられないと言う事


誰よりも相手をずっと見ていると言う事


それは互いが一番気になる存在だという証



だからと言ってチャカはペルにあえてそれを教える気は毛頭ない


「わざわざ敵に塩を送る事もあるまい」


一陣の風に衣服の裾を弄ばれるまま、緩く笑み浮かべて呟く言葉はそのまま風に浚われていった














あとがき 
リハビリ作品なので文章がおかしいのは目を瞑ってくださいorz
ペルは化粧が無いと男前。といわれてますが、個人的には目つきの悪い以外特徴の無い顔をしてたら良いと思います(おおい)