「白い傷」


私の毛並みに、血がにじむ

飼い犬あがりの私は、戦い慣れしてないから、どうしても負傷する

戦い疲れで他の皆は深く深く眠っているのに

傷が痛んで寝付けないのは私くらい

群れから離れて傷を舐めていると、暗闇から誰かが近づいてくる


「お前が奥羽軍に入って2週間…また怪我したのか」


声の主はジェロムだった


私は雑種で、目立たなくて、戦いで役に立つ訳でも、特別変わった外見をしてる訳でもない



――何でこの人は私を知ってるの?



取り留めなく考えていると、ジェロムは私の傷を優しく舐めた


「お前のその…白い、綺麗な白い毛に赤色は似合わないな」


さり気無く漏らされた、照れた様な声は更にもう一言付け加えられた



「俺について来い。の前は、俺が護ってやる」



その言葉を残してジェロムはさっさと行ってしまった


顔の毛だけ、赤くなってしまいそうだった