アイアンハイドが突然「ジャングルに用がある」と言って特別武装を求めてきた。
理由を問うて返答は無かったが、任地から装甲を殴られた様にへこませて帰ってきた弟子が漏らした名を聞いた瞬間の、一変した表情が全てを物語っていた。






―クロッカスの花言葉―
 





「……………雨、止まないね」

まるで出立を拒む様に降りしきる雨音に混じり、背後から聞えてきたその声に黒いオートボットが振り返る。
手袋とツナギ、そして顔をオイルで汚したが巨人を見上げていた。


「俺に地球の天候なんぞ関係ない」

辺りが煙るほどに大きな音をあげて地にぶつかる雨を見ながら答えるその声は、何時もと変わらぬ調子で大気を震わせる。
彼が単独の出撃にも拘らず…いや、だからこそ此処で自分を待っていたのを分かっているからは何も言わない。
その代わりに手袋を外した手でアイアンハイドの足の装甲に触れた。

リニューアルを終えたアイアンハイドは新しい武器をふんだんに搭載し、車両としての装飾品も増やした姿は正に戦闘車両。
彼の為に新造したガトリングガンとスナイパーライフルの存在感も凄まじいが、新装着のバンパーがキャノンにくっ付いてボウガンになったのは流石に驚かされた。
さらに要望があった稲妻のペイントを施した所、その凛々しさに堪らず膝から崩れ落ちたのを思い出す。悔しいが惚れ直さざるを得ない。


「コンバットナイフなんてアナログな物、重火器狂が所望するなんて思わなかったわ。しかも2丁も。」
「戦士はどんな武器も扱えねばいかんからな」

そう言って2本のナイフを構えるアイアンハイドに見蕩れてしまった。悔しいが格好良い。惚れ直さざるを得ない。

「そのサバイバルナイフ、造形気に入ってんだから壊さず持って帰ってよね」
「どうだかな」

ナイフを収め、そう嘯いて雨の中を彼は一歩踏み出す。

黒いボディが一瞬でびしょ濡れになり、施した雷のペイントが雨の筋と混じって分からなくなった。
数歩進んだ所でピックアップトラックにトランスフォームし、唸りを上げるタイヤが雨の向こうにアイアンハイドを小さくしていく。
その後姿を見送る胸中には、言い得ぬ感情が過ぎるが、それは「心配」と形容される物ではない。
数度とは言え前線を知る身として、残される側にどうしても慣れる事が出来ないだけだ。
ともに行けないじれったさは、常にの胸を締め付ける。



アイアンハイドの事だから、体のあちこちをボロボロにして帰ってくるだろう。

私は此処で彼を迎えて、「おかえり」って言った後に一寸お小言なんて投げつけながら修理する。

それだけで十分。

けれど…


「こんなにも私は…貴方と離れているのが辛いの…」


だからお願い ねえ 早く私の元へ帰ってきて









クロッカスの花言葉=あなたを待ってます

リーコンアイアンハイドが格好良過ぎて辛抱堪りません。変形するトイは買わないと誓ってるのに挫けそう!
(とか言ってたら、2014年10月に思い立ってリーコン身請けしました。アカン。これまじアカン。格好良すぎて辛いです。皆さんも是非身請けして下さいリーコンハイド)
そしてハイドは、以前ヒロインに黙って出撃してしこたま泣き怒られてるので、出撃前は出来るだけ会うようにしてるんです