ずっと気にはなっていた
アイアンハイドの潰れた右目
何度も「直そうか?」と訊ねかけた事がある
でもそれはきっと口に出してはいけない言葉
あの傷は痛む傷かもしれない
あの傷は辛い過去かもしれない
あの傷は有ってはいけない物かもしれない
でもきっとあの傷は他人が触れてはいけないものだ
だけどもし…彼が望むなら私の全ての力で直してあげたい
相手の顔を見つめるだけになってしまっていた私を蒼い光が見下ろした
彼は声を掛ける事はしない
ただ黙って私の前で片膝をついて顔を寄せて来る
何かに突き動かされる様に私の左手がそっと変形した瞼に触れた
「……………痛い?」
ぽつりと漏れた言葉に蒼の光が一瞬明滅する
「痛んだり疼いたりする時は確かに有った…だが今は」
私の右瞼に触れる大きくて冷たくて固い口唇
「お前が居るから、大丈夫だ」
結局あなたは最期まで傷の由来を語ってはくれなかった