今までの戦闘には無い位、機体のあちこちをやられた

ジョイントやベアリングが馬鹿になって肘や膝から先が稼動しないし、集積回路が妙に熱を持って機体が熱い

これは結構ヤバイかもと考えていると、先刻からサウンドウェーブがメガトロン様と俺を引っ切り無しに交互に見てくる

心配してくれてるのが嬉しい、直ぐにでも俺の所に来て欲しい

でも張り詰めた船内の空気がそれを許さない

声を出せない代わりに俺は火花の散る右腕を何とか上げる事で応えた


「おい、積荷を軽くしてくれんか」

不意に船内に響くアストロトレインの声

「聞こえたか?お荷物な奴はさっさと捨てっちまわねえとな」

ああやっぱりな、何時か誰かが言い出すと思ってたよ

スタークスリームにとっちゃあメガトロン様を追放出来る又とないチャンスだし、戦えないデストロンなんて捨てられて当然

どうせ俺も直ぐ捨てられるんだから無駄なエネルギーは使うだけ損だ

放逐の恐怖に叫び声を上げて逃げ惑う連中を他所に、妙に冷めたロジックサーキットでこの阿鼻叫喚を眺める

その喧騒に紛れて歩み寄ってくるサウンドウェーブは、何も言わず俺の腕を少々乱暴に引き上げた

え、一寸待ってくれよサウンドウェーブ…真逆お前まで…



「必ズ迎エニイク」



俺の集音センサーに、確かにそう響いた

そしてサウンドウェーブの青い指が、俺の体をアストロトレインの外に押し出した



妙にゆっくりと遠ざかっていくサウンドウェーブの姿

一瞬  そう、一瞬だけ「捨てられた」と思った

でもサウンドウェーブは確かに迎えに来ると言ったんだ

仮にそのまま残ってればウサ晴らしのサンドバックにされてたか、慰み物にされるかのどっちかしかない

サウンドウェーブは俺やメガトロン様、他の傷付いた奴等がそんな酷い目にあわない様に、敢えて放り出したんだ

昔から俺に嘘をついた事の無いサウンドウェーブ

言ったからにはどんなに時間が経とうと必ず迎えに来てくれる

慌てはしないけど、出来ればメインメモリがイッちまうまでには迎えに来て欲しいな

サウンドウェーブが迎えに来てくれた瞬間をシュミレートするだけで口元が緩む

このだだっ広い宇宙空間で漂うのも、その瞬間の為なら偶の休暇だと思ってのんびり出来る気がした






いよいよエネルギーも尽き果てて、最低限の回路も動きを止めようとした時、メガトロン様が何か言ってるのが聞こえた

こちとら落ちない様にしてるので精一杯だってのに、近くでギャースカ騒ぐなってんだ…

音声にすら出せないの悪態を突いていると、もうまともに映像も映せないカメラアイが何かの金属体を映した気がする


そのまま何かに取り込まれてその内部で装甲の形状をスキャンされ、新しいデザインが上書きされる

無理矢理に外形を変えられてモニターにノイズが走り、内部機構まで滅茶苦茶にされて口からは掠れた悲鳴が漏れていく


気持ち悪い 痛い もう止めてくれ 俺が何したってんだ


そして俺の意志とは全く関係なく、気がつけば別のトランスフォーマーに生まれ変わらされた

俺の体はもうジェットロンのそれじゃない

あの青いボディも、サウンドウェーブがペイントしてくれた翼だって原形を留めてない

だけど俺は間違いなく此処にいる



サンダークラッカー

この名を呼ぶあのエフェクトの強い声だって俺は覚えてる

俺を見る紅いバイザーの奥のオプティックセンサーも、俺のヘッドパーツを撫でる蒼い指の感触も覚えてる



俺を見てくれよサウンドウェーブ



名前を呼んでくれよサウンドウェーブ



また頭を撫でてくれよサウンドウェーブ



俺はあんたの目の前にいるのに、どうして俺を見てくれないんだ

俺だって分かって貰う為だったら、ブレインスキャンだってもう嫌がったりしねぇから




おねがいだ




俺を忘れないでくれよ




サウンドウェーブ




おねがいだ




俺の名前を呼んでくれよ




たった一言でいい




サンダークラッカーと




俺の目を見て






















ザムービーがショックすぎて
こんなアホ文でも書いて無いとどうにもならなかった