<ここまでのあらすじ>
ダークに捕われた仲間達を救うため立ち上がったマグナムエースとキアイリュウケン!
コントロールチップを埋め込まれた極十郎太、トップジョイ、ブルアーマーが次々襲い掛かるが、マグナムはこれを44ソニックでフルボッコ、もとい彼等のシルバーキャッスル魂を再び呼び覚ましたのだ。
しかしそんな彼等の前に、GZが立ちはだかる!
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・元ネタ動画→/sm286009様
・ゲームボーイ版が元ネタなので、どいつもこいつもラフプレー上等です。
そんなシルバーキャッスル見たくない! な方はくれぐれもご注意下さい。
・まさか無いとは思いますが、元ネタ動画さまへの通告はご容赦下さいませ。
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「ぐぁ、う…!」
「マグナムエース!」
もう何発目かもわからないパックを受けたマグナムの身体が崩折れる。ソルジャー仕様のボムパックが与えるダメージは、この不屈のリーガーをさえ完膚なきまでに傷つけたのだ。
「バカな奴め」
倒れ伏したマグナムに、GZがスティックを振りかざす。
「ギロチ様に逆らう者には、破壊あるのみ!」
「……ッ!」
GZを睨みすえるマグナム。しかし、もう動く事もままならない――
ガキィイン!
凍土に響き渡る金属音。
確かな手ごたえに、敵の赤い装甲が砕け散りオイルの噴き上げる様を思い浮かべたGZだったが、次の瞬間目にしたものは。
「リュウケン!」
「……平気だよ。マグナムは休んでて」
スティックの一撃はキアイリュウケンの拳によって阻まれていた。
「貴様ァ…!」
「やめてGZ! 僕たちがわからないのか?!」
「気安く呼ぶな! 貴様、何者だ!」
スティックと拳、それぞれに込められたエネルギーが拮抗し、火花をスパークさせる。その威力に圧倒されて、二体のリーガーは飛びすさった。
「GZ! 目を覚まして!」
「目を覚ませだと? 笑止な! 俺が逆に貴様らを、この永久凍土に眠らせてやるぞ!」
GZの胸の発射口からパックが飛び出す。マグナムエースを倒したボムパックを、今度はリュウケンに向けるのか。
「ソルジャースラップショーット!」
スティックからのエネルギーを乗せられたパックは、驚異的な――並のホッケーリーガーにはおそらく繰り出せないだろうスピードでリュウケンに襲いかかる!
「よけろリュウケンっ!」
ブルアーマー達に身体を支えられたマグナムが叫ぶ。
いかなリュウケンでも、ソルジャースラップショットで放たれたボムパックを喰らってはひとたまりもあるまい。 しかし、彼は動かなかった。迫り来るパックを見据え、構え、そして――
「竜、鉄、拳ーッ!!」
正拳突きは過たずボムパックを捕らえた。しかし次の瞬間、閃光と爆音が炸裂する――!
「リュウケーンっ!!」
「見事だ。リュウケンとやら」
――爆煙のさなかに浮かぶ空手リーガーのシルエットへ、GZがニヤリと笑いかける。
「……本当に、思い出せないんだね」
薄れ出した煙の向こうから現れた顔は、琥珀色の瞳は、深い悲しみを湛えていた。戦場には似つかわしくないほどの切なげな顔。
「わかったよ、GZ。僕もう迷わない」
静かな声はしかし、揺るぎない決意に満ちて。
「君の心に、もう一度アイアンリーガーの魂を取り戻させてみせる」
リュウケンの額が輝く。浮かび上がったのは「心」の文字。
「マグナムが44ソニックで十郎太やトップジョイを目覚めさせたように、僕が君を目覚めさせる!」
GZはスティックを構え直し、フ…と不敵な笑みを浮かべた。
「やれるものなら、やってみるがいい…!」
「行くよ、GZ!」
その言葉も終わらぬうちにリュウケンは駆け出していた。燃える炎のような闘気が彼を包む。しかしGZのボディからも、それをも凍らせるかのような冷気が湧き上がっていた。
スティックを握った右手が高速回転し始める。生み出された気流の渦が、冷気を取り込んで増大していく…!
「ブリザードスラップショットー!」
無数のボムパックがリュウケン目がけて飛ぶ。驚異的スピードに加えて凍気をまとったそれはまさしく、ブリザードの名にふさわしい凶器だ。
しかしリュウケンは止まらない。パックが襲い掛かる真っ正面へと突っ込んでいく!
「竜天、拳、脚ーッ!」
連続で繰り出す拳と蹴り。まるで演舞のように華麗でありながら、しかし確実にパックを打ち砕いていった。凍った破片が空中に飛び散り、ダイヤモンドダストのようにきらめく。そのさなか、またたく間にGZとの間合いを詰めてしまった。
当然、GZも易々とやられはしない。スティックをかざし防戦する――
「はあああああああああああああ!」
「うぉおおおおおおおおおおォォ!」
「――嫌な予感がする」
ふたりの叫びがこだまする中、マグナムが呟いた。
「嫌な予感って、何が」
マグナムに肩を貸したブルアーマーが問う。
「――俺がみんなに44ソニックを放ったのは、体内のどこに埋め込まれたかわからないコントロールチップを衝撃波で破砕するためだったんだ」
つまり、試合の時のようなフルパワーの投球ではない。その必要もないのだ。
「だからさっきは、一応手加減したぞ」
「……お主アレで手加減したと言うか、マグナムエース」
十郎太はマグナムを軽く睨んだ。
「……リュウケンが、本気でGZに攻撃しかねない、って事か?」
恐る恐る尋ねるブルアーマー。
「手加減できるようでできないタイプだろ、あいつ…」
「マグナム心配しすぎネ! あのリュウケンが、誰かを本気で殴っちゃうなんてあり得ないネ!」
「そ、そうさ。それにGZだってあれだけの装甲があるんだ、そんな簡単には…」
ガシャアアン!
その時彼等の足元に吹っ飛んできたのは、砕けたスティックの柄…………を握ったままの右手だった。
「ぅえええええぇぇっ?!」
慌ててその場から飛びすさるブルアーマー。今度はその頭上にばらばらと、爆破されたパックの破片が降り注いだ。
そこに混じる金属片。アイスブルーの塗装に、所々オイルのどす黒い色が絡みつくそれは紛れもなくGZの……嗚呼。
「竜天脚!」
「ぐぉっ?!」
「激竜拳ーッ!!」
「があああああっ!」
かつてリーガー工場の巨大プレス機を真っ二つにした蹴りを。
ヘクトパスカル島でテニスリーガーからの爆撃を跳ね返した突きを。
手加減なしの遠慮なし、全身全霊の力を込めてGZのボディに叩き込むリュウケン。
「やっぱりな……」
マグナムは頭が痛い、とでも言いたげに額を押さえる。
「ミーはオイルにかけて誓うネ…もう絶対、リュウケンの事は怒らせないネ」
怯えた様子で、トップジョイが呟いた。
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「お前達、何でこんな所……思い出したぞ! 俺は、ダークに!」
「よかった、思い出したんだね。GZ」
GZを抱き起こしながら微笑むリュウケン。その頬には乾いたオイルがこびり付いて。
否、頬といわず額といわず、返り血ならぬ返りオイルを浴びていた。
「すまない、殴ったりして。でもコントロールチップを壊すにはこれしかなかった」
「気にするな。いい蹴りだった、あれで目が覚めたぞ」
――その、蹴り入れられて破損した箇所からオイルぼたぼた漏らしながら「目が覚めた」とは恐れ入る。オイル切れで失神しかねない雰囲気だが。
「…それより、お前は大丈夫だったか?」
GZの手が、リュウケンのラバーフェイスの頬に伸び、そこを汚すオイルを親指で拭い取る。吹っ飛ばされずにすんだ左手だったが、動かすたびにそこかしこがショートを起こし、火花を上げる。
「酷い目に遭わせたな。すまん」
リュウケンはそれに自分の手を――オイルまみれの手を重ね、頬をすり寄せて柔らかく微笑むのだった。
「元に戻ってくれたから、もういい。大丈夫だよ」
「――みんな、先に行くぞ」
おもむろにマグナムが口を開く。十郎太が無言のまま肩を貸した。
「ちょ、ちょっと待つネ! マグナム! あの二人どうするノ?!」
慌てるトップジョイ。しかし十郎太はにべもなく、
「気が済んだ所で、後から追ってくるであろう。待ってやる義理などない」
「でもウィンディの居場所を知ってるのはGZだけじゃないのか?」
ブルアーマーの言葉にも、マグナムは立ち止まりさえもせず、
「…アームの話だと、フットやマスク達も妨害してくるのは間違いない。どちらかシメ上げれば白状するだろうさ」
「し、シメ上げるって…」
「マグナムの事も、怒らせたらだめネ…」
シルバーキャッスルにあるまじき発言にしばし呆然とするブルアーマーとトップジョイ。
二人が数歩先行くマグナムと十郎太の背中に感じたのは妙にやさぐれた空気――言葉に置き換えるなら、
「付き合ってられるかこのバカップル」
「リア充爆発しろ」
で、あろうか。
シルバーキャッスルの戦いはまだまだ続く。
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ビーンボールダイアリー の九重様から頂きました!!
雪見が「GZとリュウケンのガチ殺陣見てぇー」とぶつくさ言ってたら、ニコ動のゲームボーイ動画を元に書いて下さいましたぞ!ひゃっほう!!
もうね、ほんとこんなんを望んでました!!互いに限りを尽くす正に死闘!酷いゴリ押し!!!被害が超一方的!!!(笑)
本当に良い壊されっぷりを呈してるGZを中心としてオイルの海なのに、リュウケンが返りオイル塗れでドロッドロなのに、其処だけ空気の違うラブラブッぷりがもう!!
マグさんと十郎太の心の声に心から同意します(笑)
熱く熱くも砂を吐きそうにラブラブな殴り愛なG龍有難う御座いました!!!!